私の副腎疲労体験記④

 

眠れない・・・

 

とにかく疲れて仕方がない、ということに引き続き、いろいろな症状がやってきた。

中でも困った症状が、「不眠」だった。

 

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私はそれまで、不眠というものを全く体験したことがなかった。

生まれてこの方、「自分の枕でないと眠れない」といった繊細さとは無縁で、

「いつでもどこでもすぐ眠れる」

というのが取り柄だった私が、ぱたりと眠れなくなってしまったのだ。

 

眠れなくなった最大の原因は、「動悸」だった。

 

眠ろうとして布団に入ると、夜の静けさの中に、バクバクした心臓の鼓動だけがやけに強調されて、気になって仕方がなくなってしまった。

昼間は眠くて仕方がないのにもかかわらず、夜の眠りたい時に限って、目が冴えてらんらんとしてしまう。

胸のバクバク感にひたすら耐えながら、ベッドの中で何度も寝返りを打って過ごし、やっとおさまって寝ついたとしても、夜中の2~3時ごろにぱっちり目が覚めてしまう。

そしてその時には、また胸がバクバクしているのだ。

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このバクバク感、つまり動悸は、自分でコントロールできないだけに、ほんとうに参った。

もちろん、昼間も動悸はしているはずなのだが、いろいろなことに気をとられているため、鼓動を感じてはいても、それほど支障がでるほどではなかった。

しかしいざ眠ろうとすると、気になりだすのだ。

当然ながら、睡眠不足は、エネルギー不足からくる頭の回転の鈍さを、さらに助長させることになった。

 

また、ちょっとした刺激にも、とても敏感になった

少し刺激の強いテレビのニュースを見ただけでも、胸の動悸が高まり、苦しくなるので、見続けることができないのだった。

そのせいで、好きなサスペンス映画はおろか、ほとんどのテレビ番組が見れなくなってしまった(電磁波に敏感になったというのもあったかもしれない)。

 

もちろん、精神的ストレスにも、過剰に反応するようになった。

普段だったらそれほど反応しないようなことでも、カッと頭に血が上りやすくなり、とたんに胸がバクバクして、苦しくなった。

逆に悲しくなったりすることもあった。

そしてその後は、反動のためか疲労感が増して、ぐったりしてしまい、寝込んでしまうというありさまだった。

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こんな風に、日常におけるほんの些細な変化(=ストレス)に過剰に反応し、それに耐えることが難しい、という状態になってしまった。

仕事などでどうしても避けられないこと以外は、可能な限り、刺激を避けることが必要だった。

特にしんどかったのが、日々の疲れがどっと出る休日だったが、あの頃の自分はいったい休日に何をしていたのか?と振り返ってみると、1日中寝ていたこと以外思い出せない。

もっとも受動的で、横になったまま、エネルギーも頭も使わずにできる気晴らしと言ったら、テレビだと思うのだが(読書もネットサーフィンもテレビに比べるとエネルギーを使うと思う)、それすらもできなかったのだから・・・

 

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副腎疲労とは、副腎皮質から出るコルチゾールというホルモンが不足する病態です。

 

今まで書いてきたように、コルチゾールの重要な働きの筆頭は、血糖値を上げ、血圧を高めて、その結果「エネルギーを生み出す」ことです。

そのコルチゾールが不足する、とエネルギーが作れないため、慢性的な疲労の原因となります。(*慢性疲労の原因には、副腎疲労だけではなく他にもいろいろな原因があります)

 

しかし、コルチゾールの不足による問題は、これだけではありません。

その一つが、自律神経に及ぼす影響です。

 

人間の体の調節系統には、主に自律神経系ホルモン系(内分泌系)があります。

両者とも密接に関係しあいながら、体内の環境を一定の状態に保つために働いています(生体恒常性=ホメオスターシス)

 

その自律神経には交感神経系副交感神経系の2種類があります。私たちが意識することなしに、このふたつがバランスをとりあいながら、体内の調節をしてくれているのです。

 

簡単に自律神経の説明をしていきましょう。

交感神経は、私たちが昼間活発に行動している時に優位になる神経で、副交感神経は夜リラックスしている時や、眠っている時に優位になる神経です。

どちらも大切であり、これらのバランスが取れていることが大切なのです。

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交感神経と副交感神経は、同じ臓器に対して反対の働きを持つことが多く、お互いにシーソーのように働いています。

例えば、血圧は交感神経によって上がりますが、副交感神経はそれを下げますし、消化は交感神経によって抑制されますが、副交感神経によって活発になります。

交感神経と副交感神経

しかし、必ずしもこの二つの自律神経のバランスがいい状態とは限りません。いろいろな理由でアンバランスになってしまいます。

この交感神経と副交感神経がアンバランスになっている状態、それがいわゆる「自律神経失調症」という状態です。

 

通常、副交感神経が強くなりすぎるということはあまりなく、大体の場合は交感神経の働きが過剰になります。

交感神経は、脈拍を高め、血圧を上げ、神経を高ぶらせます。つまり興奮状態になってしまうわけです。

なので、動悸や不眠、頭痛、高血圧、怒りっぽくなる、便秘、他にもいろいろな症状が起こります。

また、消化能力が落ちるので長期にわたると栄養失調になりますし、ホルモンのアンバランスも起こります。免疫力も低下してしまいます。

自律神経失調症の症状

自律神経失調症は、ストレスが原因の一つということは大筋のコンセンサスがありますが(もちろんそれは正しいのですが)、それ以外の原因が追求されることはまずありませんし、治療法もこれという確実なものはありません。

上記に書いた私の症状は、まさに自律神経のバランスが乱れ、交感神経緊張状態になった結果に起きた症状といえます。

おそらく、この頃普通に病院に受診していたとしたら、つけられた病名は「不眠症」「自律神経失調症」だっただろうと思います。

もし呼吸困難や過呼吸などの症状を伴っていたら、「パニック障害」と診断される可能性もあったでしょう。

そして、抗うつ剤や抗不安剤、よくて漢方薬などを処方されていたことでしょう。まかり間違ったら、薬漬けになっていたかもしれません。

残念ながらこれらの薬では、効果が出ることももちろんありますが、ないことも多いです。

なぜなら、そうなっている根本原因を治しているのではなく、症状に対処しているだけだからです。

 

ではなぜ、自律神経のバランスが崩れ、様々な症状が起きるのでしょうか?

自律神経失調症状の本当の原因・・・

その一つは、副腎疲労なのです。

 

コルチゾールには、交感神経の働きによって生み出されるアドレナリンやノルアドレナリンを抑制する働きがあります。

これらのホルモンはストレスに対処するという共通の働きを持っているため、お互いをカバーしあっているのです。

しかし、長年にわたるストレスにさらされ、副腎が十分なコルチゾールを出せなくなると、その代わりに(主に)アドレナリンが過剰に出ざるを得なくなります

コルチゾールの不足による低血糖に対処しなければならないからです。

その結果、交感神経が過剰に働く状態(交感神経優位)になり、いわゆる自律神経失調症の症状が起こることになるのです。

 

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コルチゾールが足りないから疲れる。

コルチゾールの代わりにアドレナリンが出ているから、動悸がする。夜眠れない。気持ちが落ち着かない。

疲労、不眠、動悸・・・、これらのもろもろの症状。

体験したからわかりますが、これは本当~~~~~に、つらいですよね。

本人にしかわからないから、なかなか理解されづらいのも悲しいし、副腎疲労については普通の医者は知らないので、原因不明とか、気のせい、ってなってしまうのも、つらいものがあります。

 

ひとつ言いたいのは、アドレナリンが悪いというわけではありません。

アドレナリンは、必要があるから出ている、ということです。

間違いなく言えることは、その原因を対処せずに薬で治そうとしても、絶対治らない、ということです。

 

もちろん、自律神経失調症状の原因には、他にもマグネシウム不足だとか、遅延型食物アレルギー(食物不耐性)だとか、機能性低血糖症だとか、水銀中毒だとか、いろいろなものがあり、副腎疲労だけではありません。

大体はこれらの要因が複雑に絡み合っていることが多いです。

ですので、治療も複合的に取り組んでいく必要があります。

 

 

まだまだ終わりません。

続く。。

 

 

ああ、今日も長かった(^_^;)

お読みいただきありがとうございました。

 

私の副腎疲労体験記①はこちら

私の副腎疲労体験記②はこちら

私の副腎疲労体験記③はこちら

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